9月27日[3日目]:Black History Walk
今日は朝9時半に駅に集合した。
家を出る時間が遅くなったので、時間ぴったりに到着。「Black History Walk」と題し、ライアソン大学の教授が、近くにある「アラン庭園」と大学の体育館を案内してもらう。
彼女はジャマイカで生まれ、人生の半分をトロントで生活している。
以前は民間企業に勤めていたが、黒人の歴史に興味を持つようになり、イギリスに留学し博士号を取得。現在は大学教授として、研究や授業を行っているとのこと。
街を歩きながら奴隷制度の始まりや、アフリカの植民地の歴史について話を聞く。
トロントは多文化社会だ。
国の政策も、異なる文化を持つ人たちが対等に渡り合える「多文化主義」をうたっている。確かに街中ではアジア系、アフリカ系の人などいろいろな人種と出会う。先生も「トロントに暮らしていると、自分が『黒人』だと気にしなくなるわ」と話していた。
ただ、白人居住者が多いオタワやモントリオールに行くと「“なんで黒人がここにいるんだ”という目で見られることが、たまにあるわね」。まだまだ人種差別は根強いようだ。
自分も、この地域で黒人とすれ違っても、特に珍しいとは思っていない。でも、一歩トロント以外の地域では、黒人は目立つのだなと思った。
教授の説明で一番驚いたのは、戦国時代に黒人の侍がいたことだ。彼は織田信長の家臣で、名は「弥助」と呼ばれていた。高校の日本史で教わらなかったので、とても新鮮な話だった。また彼のことは日本でもあまり知られていないことに驚いた。
散策中に気づいたのは、建物の壁に絵を描く、「ウォールアート」が多いことだ。
日本では「いたずら」とか「落書き」など、悪いイメージが思い浮かぶと思うが、トロントでは芸術作品。自治体がアーティストに依頼してビルに書いてもらうほど、トロントではオープンなイメージだった。黒人をテーマにした作品もあった。それほど、トロントは芸術に関心の深い都市なのだと思った。
午後からはオフィスへ。チームに分かれて作業。
観光チームは、フィールドワークのネタ探しと、昨日行った博物館やチャイナタウンなどのレビューを書いた。