2019.10.12

第6回 うれしくて、にやけてしまう

8月10日・11日 西村屋 本館 客室係2・3日目

8月10日・2日目。

昨日の悔しさをバネに、自分にできること、自分にしかできないことをしようと決め、出勤。

「何かできますか?」
「これしましょうか?」

と、積極的に聞く。先輩たちも、簡単なことから徐々に頼んでくれるようになった。玄関の履物をそろえたり、食器を洗ったり、気がついたことは自分から率先して行動した。

「少しでも役に立っていたらな」と思っているうち、終業時間に。

宿泊客は、思い出作りや保養などはもちろん、記念日を祝うなど、目的はさまざまだ。この日、私のトレーナー・UさんとKさんが担当したご家族は、お父様の還暦祝いだった。

お姉さんたちは「一緒にお祝いして盛り上げるのはもちろんだけど、邪魔にならないようにすることも大切」と、話してくれた。近すぎず遠すぎない距離感でのおもてなし。その姿に「さすがだな」と感動する。

そして、今日が3日目・最終日だった。客室係の業務が終わる。着物を着て、お客様に接客することももうない。

あいかわらず忙しい日だった。客室に入るチャンスはなかったが、お姉さんたちのサポートをできるだけ行った。「おぼんを取りやすいようにする」「履きやすいように草履をきれいにそろえる」など、ほんのちょっとしたことだったが、少しは協力できたかなと思う。

配膳しているCEPメンバーの男子2人。手には釜飯。重いです


仕事が終わり、帯を緩める。「終わったなぁ」という達成感と、お姉さんたちと一緒に働けない寂しさを感じた1日だった。

「よく頑張ったね。本当は3日間着物を着る予定じゃなかった。よく似合っていたし、特別に着付けしたんだよ」

終わった後、客室係の部長さんから言われた言葉だ。うれしくてつい、にやけてしまう。頑張って良かった!本当に良い経験をさせてもらったなと思う。

この3日間を通して、客室係とは体力のいる仕事だと、身をもって感じた。特に階段の上り下りが激しい。その上、料理をのせているおぼんを持って動く。こぼさないように!という気持ちを持ちながら、すばやく行動しなければならない。
また、担当した複数のお部屋の朝食・夕食時間に合わせて、どのようなタイミングで配膳・下膳するかも判断しないといけない。体力や頭の回転の速さが大切だ。

精神的にも強くないといけないと思った。
お客様のニーズに合わせた“臨機応変なサービス” を実際に見ることもできた。適切な距離感で、寄り添うようなおもてなしに、心を奪われた。 とても勉強になる3日間だった。

次は違うお仕事を体験させてもらう。

また、一から頑張ろう。明日は休みだ!

夕食の準備をしてる、薮田くん
松本くん。使ったコップを片付け中