10月24日:最終日[30日目]
自分と向き合えた、トロント滞在
10月24日。長いようで短かったトロントとも、ついにお別れ。
午前9時出発の飛行機に乗るため 、ホームステイ先を早朝4時に出発。夜明け前で暗く、気温も4℃ととても寒い朝だった。静まり返った住宅街に響くのは、ゴロゴロと鳴る、自分のトランクケースの音だけ。バスも動いていたが(トロントでは、24時間営業している)、万が一、トラブルで遅れた時のことを考えて、タクシーに乗車。
空港まで約40分。「京都に帰るんだな」と、この1ヵ月間のことを振り返っていると、少し感傷的になってしまった。
帰国には付添いがいない。メンバーがちゃんと時間通り集合できるか心配だったが、遅刻する人はなし。心なしか、みんな疲れ気味。トロント → バンクーバー → 関西国際空港まで、約14時間の移動中、機内では、眠っている人が多くいた。
今回のCEPには、2つの目的があった。
ひとつは雑誌制作。もうひとつは「観光チーム」として、トロントのおすすめカフェや博物館などを訪れ、雑誌に掲載するリポートを書くことだった。
雑誌は、トロントの街を紹介する内容だ。自分たちが感じたトロントの良いところや悪いところなどを、どうやって読者に伝えるか、そのためのコンテンツをどうするかを、メンバーから出たアイデアをまとめ、方向性を明確化する「編集長」のような役割を担当。
またリポート執筆は、事前にリサーチした場所に行き、感じたことを文章化。そしてトロントの日常を動画で撮影し、編集もやっていた。
CEPには、自分自身と向き合う機会がたくさんあった。
例えば、自分を客観的に見るきっかけを作ってくれたクラスメイトたち。
最終日の10月23日、メンバーたちと意見交換をしました。 その時出たのが、
「響は何をやっていたかわからない」
「編集長として期待していたが、できていなかった」
という意見だった。
みんなは、自分では気づけないところを話してくれた。特に痛感したのは、自分とメンバー間の「報連相」(報告・連絡・相談のこと。ビジネスの基本といわれている)がうまくできていなかったこと、そして編集長としてリーダーシップの発揮や、チームのマネジメントができていなかったことだ。
滞在期間の土日は自由行動の日だったので、取材のため単独行動をしており、その内容を日報として提出。週1~2回あったミーティングで報告していたが、その内容がスムーズに伝わっていなかったようだ。 またメンバーたちが進めている作業を把握し、指示することや、意見をうまく引き出してまとめられなかった。
正直なところ、感情的になって、言い返したくなるような発言もあった。帰国後、自分の中で処理できないモヤモヤした感情が残り、気持ちがなえてしまって、雑誌制作の進行が止まってしまうほど、ふさぎ込んでしまう時期も。
今回、「報連相」の徹底や、明確な目標設定とその修正、メンバーの管理や指導、配慮などの難しさを経験することができ、この経験を前向きに捉えて、これからの大学生活で生かしたいと思う。
勇気を持って話してくれたみんなに、「ありがとう」と言いたい。
また、新しい出会いも。トロントで生活し、自身の目標に向けて活動する3人の日本人から刺激を受け、同時に、自分を取り巻く、現在の環境を見つめなおす良い機会にもなった。
トロントでの経験は、自分自身を見つめる機会となって、成長させてくれたと考えている。
雑誌は1月末には、電子書籍で出版する予定だ。自分ができる限りのことをやって、発行までつなげたいと思う。
ぜひ、みなさんに読んでほしい。
また、最後まで読んでいただきありがとうございました!